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国際結婚で気持ちがすれ違うとき|愛着スタイルと文化の違いから考える

1月16日
読了時間: 11分
雪景色の中に佇む日本の山里と合掌造りの家屋。静けさと安心感を感じさせる冬の風景


「そんなつもりで言ったんじゃないのに」

「どうして分かってもらえないんだろう」

「私はただ気持ちを聞いてほしかっただけなのに」


親しい関係であっても、言葉は通じているはずなのに、なぜか気持ちがすれ違ってしまうことがあります。


もちろん、こうしたすれ違いは国際結婚に限ったことではありません。

同じ文化で育った二人の間でも起こります。


ただ、国際結婚では、そこに文化や言語、育ってきた家庭環境、愛情表現の仕方などの違いが重なることで、もともとどんな関係にも起こり得る気持ちのすれ違いが、より複雑になることがあります。


「これは文化の違いなのだろうか」

「それとも、相手と自分の考え方が違うだけなのだろうか」

「もしかして、私が気にしすぎているのだろうか」


何度も同じようなすれ違いが続くと、何が二人の間で起きているのか、自分でも分からなくなってしまいます。


そんなとき、国際結婚と愛着スタイルという二つの視点から、二人の間で起きていることを考えてみるのも一つの方法です。


自分や相手が、人とのつながりの中で何を「安心」と感じ、どんなときに不安や窮屈さを感じるのかを見ていくと、これまでとは少し違った角度から、二人のすれ違いを理解できるかもしれません。



同じ出来事でも、受け取り方が違うことがある


たとえば、パートナーが疲れて帰ってきた夜。


パートナーは、


「今日は疲れているから、一人で静かに過ごしたい」


と思っているかもしれません。


けれど、あなたは、


「せっかく一緒にいるのだから、今日あったことを話したい」


と思っているかもしれません。


一人で過ごしたいことは、相手を嫌っているという意味ではありません。

話したいことも、相手を束縛したいという意味とは限りません。


それでも、自分にとって「一緒に過ごすこと」が愛情やつながりを感じる大切な時間であれば、パートナーが一人になろうとする姿を見て、


「私と一緒にいたくないのかな」


と感じてしまうかもしれません。


反対に、一人で気持ちを整えることを大切にしてきた人にとっては、


「どうしたの?」

「何かあった?」

「話して」


と続けて聞かれることが、心配してくれているというより、少し息苦しく感じられることもあります。


どちらが正しい、間違っているということではありません。


相手が何気なくしていることでも、その行動に込めた意味と、受け取る側が感じる意味が違ってしまうのです。


そして国際結婚では、そこに文化や言語、家族との関わり方、愛情表現、コミュニケーションの習慣などの違いも重なります。



国際結婚と愛着スタイル――文化の違いだけでは説明できない心の反応


愛着スタイルとは、人とのつながりの中で、何に安心し、どんなときに不安を感じるのかを理解するための、一つの心理的な視点です。


よく「安定型」「不安型」「回避型」などの言葉で説明されますが、不安と回避の両方の傾向(混合型)が見られることもあります。


また、いつも同じ反応をするとは限りません。


普段はそれほど気にならなくても、特定の相手との関係では強い不安を感じたり、反対に、安心できる関係の中では少しずつ人に頼れるようになったりすることもあります。


大切なのは、


「私は不安型だからこうなる」

「相手は回避型だから分かり合えない」


と決めつけることではありません。


「私はどんなときに不安になるのだろう」

「どんなときに、相手から少し離れたくなるのだろう」


そんなふうに、自分の心の動きを知るための手がかりとして考えてみることです。


相手とのつながりが見えなくなると不安になるとき


連絡が少なくなったり、相手の反応がいつもより短かったりすると、


「何か悪いことを言ったかな」

「気持ちが冷めたのかな」


と不安になる人もいます。


すると、相手とのつながりを確かめたくて、いつもよりメッセージを送ったり、相手の気持ちを聞きたくなったりします。


それは単に「心配しすぎ」なのではなく、相手とのつながりを確かめることで、安心しようとしているのかもしれません。


近づかれるほど、少し距離を取りたくなるとき


一方で、何度も気持ちを聞かれたり、すぐに答えを求められたりすると、少し離れて一人で考えたくなる人もいます。


相手への気持ちがないからではなく、距離を取ることで自分を落ち着かせようとしているのかもしれません。


一方は、不安になると近づく。

もう一方は、近づかれると離れたくなる。


すると、


近づけば離れる。

離れられると、もっと近づきたくなる。


そんなすれ違いが繰り返されていきます。


そこに文化の違いが重なると


そして国際結婚では、それぞれが異なる文化の中で身につけてきた「当たり前」が、二人の関係に影響することがあります。


たとえば、気持ちは言葉ではっきり伝えることが大切だとされる文化もあれば、相手の気持ちを察したり、言葉にしなくても分かり合うことを大切にする文化もあります。


家族との関わり方も同じです。結婚しても親やきょうだいとのつながりを強く持つことが自然な場合もあれば、結婚後はパートナーとの生活を中心にすることが自然だと考えられる場合もあります。


意見がぶつかったときにも、自分の考えをはっきり伝えることを大切にする場合もあれば、できるだけ衝突を避け、関係を保つことを優先する場合もあります。


こうした「当たり前」の違いは、愛情の伝え方や受け取り方にも表れます。


たとえば、自分にとっては「好き」「大切だよ」と言葉で伝えてもらうことが安心につながるのに、パートナーは、言葉にしなくても日々の行動で十分に愛情を伝えているつもりかもしれません。


すると、一方は、


「どうして気持ちを言ってくれないのだろう」


と不安になり、相手の気持ちを何度も確かめたくなる。


けれど、もう一方は、


「こんなに行動で示しているのに、どうして何度も聞かれるのだろう」


と感じ、少し距離を取りたくなるかもしれません。


お互いに相手を大切に思っていても、愛情の伝え方と受け取り方が違えば、相手からの「大切に思っている」というサインに気づきにくくなることがあります。


そして、そのすれ違いが続けば、もともと相手とのつながりに不安を感じやすい人は、さらに相手の気持ちを確かめたくなるかもしれません。


反対に、近づかれることで息苦しさを感じやすい人は、さらに距離を取りたくなるかもしれません。


このように、文化の違いそのものが愛着スタイルを決めるわけではありませんが、文化的な「当たり前」の違いによって相手からの愛情や安心のサインを受け取りにくくなると、もともとあった不安や距離を取りたいという反応が、より強く現れることがあるのです。


ただ、私たちが何を愛情と感じ、どのような関わり方に安心するのかは、文化だけで決まるものでもありません。


育った家庭やこれまでの人間関係、さまざまな経験によって、同じ文化で育った人同士でも「当たり前」は違います。


だからこそ、


「文化が違うから仕方がない」


と考えるだけでも、


「愛着スタイルが違うからうまくいかない」


と考えるだけでも、二人の間で起きていることは十分には見えてきません。


「私は、何を愛情や安心のサインとして受け取っているのだろう」

「相手は、どんな形で愛情を伝えようとしているのだろう」


そんなふうに、文化の違いと、それぞれが人とのつながりの中で感じる安心や不安の両方を見ていくことで、これまで「分かり合えない」と感じていた二人のすれ違いを、少し違った角度から理解できるようになるかもしれません。



すれ違いが起きたときにできること


文化や愛着の違いに気づいても、それだけですれ違いがなくなるわけではありません。


大切なのは、すれ違いが起きたときに、


「相手が悪い」

「私が気にしすぎている」

「文化が違うから仕方がない」


とすぐに結論を出すのではなく、二人の間で何が起きているのかを少しずつ見ていくことです。


1.出来事と、自分が受け取った意味を分けてみる


たとえば、パートナーからの連絡が少なかったとき。


実際に起きたことは、


「今日はパートナーからの連絡が少なかった」

ということです。


けれど、そこから、


「私のことを大切に思っていないのかもしれない」

「気持ちが冷めたのかもしれない」


と感じることがあります。


もちろん、その不安が間違っているということではありません。


ただ、起きた出来事と、そこから自分が受け取った意味は、必ずしも同じではないということです。


「私は、連絡が少ないと何を不安に感じるのだろう」


と一度考えてみると、自分が本当に相手に伝えたいことが少し見えやすくなります。


2.相手を責める前に、自分が感じたことを伝えてみる


不安になると、


「どうして連絡してくれないの?」

「どうしていつも話してくれないの?」


と言いたくなることもあるでしょう。


けれど、相手を責めるような言い方になると、相手も自分を守ろうとして、さらに距離が生まれてしまうことがあります。


そんなときは、


「連絡がないと、私は少し不安になるみたい」

「すぐに答えがほしいわけではないけれど、今どう感じているのかを少し聞けると安心する」


と、自分に起きていることを伝えてみる方法もあります。


相手を変えるためではなく、自分にとって何が大切なのかを相手に知ってもらうために伝えるということです。


3.二人の「当たり前」が同じとは限らないと考えてみる


国際結婚では、自分では説明する必要さえないと思っていたことが、相手にとってはまったく違う意味を持っていることがあります。


「家族とはどのくらい連絡を取るものなのか」

「愛情は言葉で伝えるものなのか、行動で示すものなのか」

「意見がぶつかったら、その場で話し合うのか、少し時間を置くのか」

「一人で過ごしたいということは、相手を拒絶していることなのか」


こうしたことに、二人が最初から同じ答えを持っているとは限りません。

だから、


「あなたにとって、これはどういう意味なんだろう」


と尋ねてみる。


そして、


「私にとっては、こういう意味なんだ」


と伝えてみる。


「どちらが正しいか」を決めるのではなく、二人がそれぞれ何を当たり前だと思ってきたのかを知ることが、すれ違いを理解する一つのきっかけになります。


4.すぐに解決しようとせず、相手が何を必要としているのか聞いてみる


すれ違いが起きると、「どうすれば解決できるか」に意識が向きやすくなります。


けれど、そのとき相手が求めているものが、自分の想像とは違うこともあります。


話を聞いてほしいのか。

一緒に考えてほしいのか。

それとも、今は少し一人になる時間がほしいのか。


分からないときは、


「今は話を聞いた方がいい? それとも少し一人でいたい?」


と聞いてみてもよいでしょう。


自分がしてほしいことと、相手がしてほしいことは同じとは限りません。


分からないまま相手の気持ちを想像し続けるより、尋ねることで初めて分かることもあります。



二人にとって安心できる関係をつくっていく


長く一緒にいると、


「この人はこういう人」

「どうせまた同じ反応をする」


と、相手のことを分かっているつもりになることがあります。


けれど、人の気持ちも、二人を取り巻く環境も変わっていきます。


特に海外生活では、仕事、言葉、家族との距離、子育て、これからどこで暮らすのかなど、二人の関係に影響するさまざまな変化があります。


家族や長く付き合ってきた友人が近くにいなかったり、自分の母国語で気軽に気持ちを話せる相手が少なかったりします。そんな環境で、パートナーとの間で起きたことを気軽に誰かに話すことができず、一人で抱えてしまうこともあるでしょう。


そうした変化の中で、以前は気にならなかったことが、今は苦しく感じることもあるでしょう。


だからこそ、ときどき相手を「知り直す」ことも必要なのかもしれません。


「私は今、何を分かってほしいのだろう」

「あなたにとって、これはどういう意味なんだろう」


と、もう一度考えたり、尋ねたりしてみる。


愛着スタイルを知ることも、文化の違いについて考えることも、相手を分類したり、「どちらが正しいか」を決めたりするためではありません。


自分は何に安心し、何に不安を感じるのか。

相手は何を大切にしているのか。


その違いを知りながら、二人にとって安心できる関係を少しずつつくっていくための手がかりなのだと思います。


違いがなくなることが、深い関係なのではありません。


違いがあることを知りながら、それでも相手を知ろうとすること。

そして、自分の気持ちも置き去りにしないこと。


二人にとって安心できる関係を考えていくことは、そこから始まるのだと思います。



🌿「私が気にしすぎなのかな」と思っているときにも


国際結婚で気持ちのすれ違いが続くと、


「これは文化の違いなのかな」

「私が気にしすぎなのかな」

「相手を変えたいわけではないけれど、このままも少し苦しい」


と、一人で考え続けてしまうことがあります。


そんなときは、すぐに答えを出そうとするのではなく、誰かに話しながら、


「私は本当は何に傷ついていたのだろう」

「何を分かってほしかったのだろう」

「私にとって安心できる関係とは、どんなものだろう」


と、自分の気持ちを見つめてみることも一つの方法です。


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「相談するほどのことなのか分からないけれど、少し誰かに話してみたい」


そんなときにも、安心して話せる時間として利用していただけたらと思います。


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