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国際結婚と離婚裁判のリアル Part 3:イギリスで私が学んだこと

更新日:4月30日


紅葉に包まれた日本庭園の池と寺院の風景。国際結婚と離婚裁判を経て、心が少しずつ再生していく静かな時間を象徴するイメージ。


国際結婚と離婚裁判が始まった日


国際結婚と離婚裁判は、愛情や夫婦関係だけでなく、文化、言葉、制度の違いとも深く関わってくるテーマです。


国際結婚をして海外で暮らすことは、人生に大きな可能性をもたらしてくれます。


違う文化に触れること。

新しい価値観に出会うこと。

自分の世界が広がっていくこと。


けれど同時に、もし関係が壊れてしまったとき、言葉、制度、文化、そして法的な仕組みの違いが、大きな壁となって立ちはだかることがあります。


前回のPart 2では、イギリスでの子育てを通して夫婦のすれ違いが少しずつ深まり、ある日突然、離婚に関する書類を受け取った出来事についてお話ししました。


あの青天の霹靂とも言える出来事から、私の長い離婚裁判が始まりました。


この記事では、イギリスでの国際結婚と離婚裁判、親権をめぐる手続き、ミラーオーダー、ハーグ条約、そしてその中で私が感じた孤独や学びについてお話しします。


私は法律の専門家ではありません。

ここに書くことは法的アドバイスではなく、あくまで私自身の体験に基づく個人的な記録です。


法制度や裁判手続きは国や時期、個別の事情によって異なるため、具体的な判断が必要な場合は、必ず専門家にご相談ください。


また、この記事は特定の個人を非難するためのものではありません。

国際結婚や国際離婚には、外からは見えにくい複雑な現実があることを、同じような悩みを抱えている方に少しでも知っていただきたいと思い、綴っています。



イギリスでの離婚裁判が始まった現実


2016年、私の結婚生活は突然、大きく変わりました。


離婚について穏やかに話し合いが始まったのではなく、ある日突然、法的な書類を手渡されたのです。

それまで夫の口から「離婚」という言葉を直接聞いたことはありませんでした。


その後、離婚手続きが進む中で、私の生活は想像もしなかった方向へ進んでいきました。


しばらくの間、彼は家に滞在し続けました。

けれど私には、それが家庭を保つためというより、心理的な圧力のように感じられる場面がありました。


家の中には監視カメラ、いわゆるCCTVが設置され、私が感情的になると携帯で撮影されることもありました。

今振り返ると、それは後の裁判に向けた「証拠」として使われる可能性を意識した行動だったのかもしれません。


ある日の口論の末、私は強く押さえ込まれ、腕にあざが残ったことがありました。

恐怖を感じた私は警察に通報し、彼は一時的に連行されました。


その後、彼は「自分の安全のため」という理由で家を出ていきました。

当時の私には理解しがたい出来事でしたが、後の裁判の中では、その出来事が別の形で語られていくことになりました。


信頼していた人との関係が、裁判の中で「主張」や「証拠」に変わっていく。

それは、文化の違いという言葉だけでは説明できない、深い苦しさを伴う経験でした。



親権をめぐる裁判と、母として守りたかったこと


最初の裁判は、息子の養育をめぐるものでした。


法律用語も、裁判制度も、私にとっては初めてのことばかりでした。

しかも、それを英語で理解し、対応しなければなりませんでした。


息子にとって何が一番良いのか。

そのことを裁判所に正しく理解してもらうため、私はできる限りのことをしました。


CAFCASS (Children and Family Court Advisory and Support Service)、つまり子どもと家庭の裁判所相談支援サービスの担当者と面談を行い、学校の校長先生にも状況を説明しました。

また、息子が離婚の影響を少しでも受けずに済むよう、心理的なサポートも受けさせました。


すべてが初めての経験でした。

それでも、母として、できることは何でもしたいと思っていました。



調停で感じた文化と価値観の違い


ミディエーション、つまり裁判前の調停の場では、文化や価値観の違いを強く感じる場面もありました。


調停の場で、息子の食事について心配を伝えたことがありました。


私は、息子が父親の家でどのような食事をとるのか、栄養面や生活リズムのことが気になっていました。

子どもの食事は、健康や成長だけでなく、日々の安心感にもつながるものだと考えていたからです。


けれど、その心配を伝えたとき、私の感覚が十分には共有されていないように感じる場面がありました。


日本で育った私には、子どもの食事はできるだけ栄養バランスを考えて整えるもの、という思いがありました。

一方で、イギリスでは家庭によって食事への考え方や優先順位が異なり、忙しい日には簡単な食事で済ませることも珍しくありません。


もちろん、どちらが正しい、間違っているということではありません。

ただ、子どもを思う気持ちは同じでも、「何を大切にするか」「何を心配と感じるか」には、文化や育った環境の違いが表れるのだと感じました。


最終的に裁判では、私が息子のメインケアラー、つまり主たる養育者であることが認められました。

また、日本への一時帰国も、条件付きで許可されることになりました。



ミラーオーダーとハーグ条約をめぐる葛藤


しかし、問題はそこで終わりませんでした。


裁判の中で、彼は日本側でも英国の裁判所命令を反映させるための手続き、いわゆるミラーオーダーを求めました。


ミラーオーダーとは、ある国の裁判所で出された命令の内容を、別の国の裁判所でも反映させるために求められることがある手続きです。


私はハーグ条約、つまり国際的な子の連れ去りに関する取り決めについても理解していたため、この手続きが本当に必要なのか、疑問を感じていました。


けれど弁護士からは、すべてを拒否してしまうと、自分が望む結果を得にくくなる可能性があると説明されました。

時には譲歩も必要だと言われたのです。


私は、息子を日本の家族に会わせたい一心で、その条件を受け入れることにしました。


ところが、その後の手続きはなかなか進みませんでした。


私は英国の裁判所命令を日本語に翻訳し、日本での弁護士の準備も整えました。

彼にも日本で弁護士を用意するよう依頼し、必要であれば紹介することまで申し出ました。


けれど、相手側の手続きは進みませんでした。


その過程で私は、これは本当に必要な手続きだったのだろうか、それとも息子と私を日本に帰らせないための手段だったのだろうか、と感じるようになりました。


日本にいる年老いた両親は、孫である息子に会える日を心待ちにしていました。

だからこそ、私はここであきらめるわけにはいきませんでした。


最終的に、必要書類や往復航空券を揃え、再び裁判所に申し立てを行いました。


そして、裁判が始まってから長い時間を経て、ようやく息子と一緒に日本へ一時帰国することが許可されました。


日本に到着した瞬間、涙があふれました。

安堵の気持ちと、ここまでたどり着くまでの疲れが、一気に込み上げてきました。



財産分与と養育費をめぐる裁判で感じた現実


親権の問題だけでなく、財産分与や養育費など、ファイナンシャルに関する裁判もありました。


そこでも私は、厳しい現実に直面しました。


これまで私が家庭を支えてきたこと。

相手の借金の一部を、私が肩代わりしてきたこと。

息子と私のこれからの生活の安定。


そうしたことが、私の感覚通りに考慮されるわけではありませんでした。


裁判では、感情やこれまでの苦労が、そのまま理解されるとは限りません。

必要なのは、書類、証拠、制度の中で認められる事実です。


英語での法的手続き。

異文化の中での裁判。

外国人としての立場の弱さ。

そして、これから息子と私はどうやって生きていくのだろうという不安。


そのすべてが重なり、私の心身は限界に近づいていました。


それでも、私が最後まで守ろうとしたのは、真実を伝えることでした。


誇張せず、相手と同じ土俵に降りず、事実を一つひとつ伝える。

その姿勢だけは、手放さないようにしていました。


長く苦しい裁判の間、私は何度も心が折れそうになりました。

けれど最終的には、裁判所は適切で公平な判断を下してくれました。


それでも、判決が出たからといって、心の傷がすぐに癒えるわけではありません。


かつて幸せだった結婚生活が、なぜここまで悲しみに変わってしまったのか。

その思いは、しばらく私の中に深く残り続けました。



国際結婚と国際離婚を通して学んだこと


この経験を通して、私は多くのことを学びました。


何度も「なぜ私はイギリスに来たのだろう」と自問しました。

後悔した日もありました。

自分の選択を責めたこともありました。


けれど同時に、イギリスでの生活を経験したからこそ、改めて日本の家族の温かさや、人とのつながりの大切さにも気づくことができました。


また、ここイギリスでも、新しい友人や支えてくれる人たちとの出会いがありました。

異国での生活でも、人とのつながりは心を支えてくれるのだと実感しました。


国際結婚には、誰もが直面しうる現実的な課題があります。


文化の違い。

言語の壁。

家族観や価値観の違い。

子育てに対する考え方の違い。

そして、国をまたぐ法制度の違い。


愛情はもちろん大切です。

けれど、愛情だけでは乗り越えられない課題も確かにあります。


違う文化や価値観を背景に持つ二人が共に生きるためには、相互理解、対話、歩み寄り、そして現実的な準備が必要なのだと思います。



国際離婚から得た心理的な学び


長く苦しい裁判を経験したことで、私はようやく自分自身と向き合うようになりました。


この経験がなければ、私は今のように心理的な学びを深めることはなかったかもしれません。


異国での生活。

言葉の壁。

文化の違い。

法制度の違い。

そして、信頼していた関係が壊れていく痛み。


それらは、想像以上に大きな負荷を心にかけます。


けれど同時に、支えてくれる家族や友人、信頼できる第三者の存在が、人をどれほど支え、立ち直らせてくれるのかも痛感しました。


孤独の中で差し伸べられた一つの言葉。

話を聞いてくれた人の存在。

遠くから見守ってくれた家族。


そうしたものが、私を少しずつ支えてくれました。


人は一人では限界があります。

特に海外生活では、頼ることが難しく感じられることがあります。


でも、誰かに話すことは、弱さではありません。

それは、自分を守るための大切な一歩なのだと思います。



この経験が、今の私につながっている


私はこの経験を、誰かを責めるために書いているわけではありません。


ただ、国際結婚や国際離婚には、憧れだけでは見えにくい現実もあることを伝えたいのです。

そして、もし今その現実の中で苦しんでいる方がいるなら、「あなたは一人ではない」と伝えたいのです。


過去を振り返りながら書くことは、私自身にとっても癒しの作業でした。


特に、パスポートを手元から離されたときの感情は、長い間、十分に消化できていなかったのだと思います。

その痛みに向き合い、言葉にする中で、私はようやく自分の傷に気づくことができました。


たくさんの涙も流しました。

けれど、それもまた、自分を立て直すための大切な一歩でした。


今の私があるのは、この経験を通して得た学びがあるからです。

とても苦しい道でしたが、その道を通ったからこそ、今、同じように悩む方に寄り添いたいと思うようになりました。


海外生活、国際結婚、国際離婚、夫婦関係、子育て、人間関係の苦しさ。

それらは、外からは見えにくいものです。


だからこそ、安心して話せる場所が必要なのだと思います。



国際結婚・国際離婚で悩んでいる方へ


これから国際結婚を考えている方には、夢だけでなく、現実的な準備も大切にしてほしいと思います。


生活のこと。

仕事のこと。

お金のこと。

子育てのこと。

家族観の違い。

そして、万が一のときの法的な仕組み。


こうしたことを知っておくことは、不安を煽るためではありません。

自分と大切な人を守るためです。


そして、すでに国際結婚や国際離婚の中で苦しんでいる方には、どうか一人で抱え込まないでほしいと思います。


あなたが感じている不安や孤独には、理由があります。

あなたが弱いからではありません。


異国で人生の大きな問題に向き合うことは、それだけで本当に大変なことです。


それでも、人は少しずつ学び、立ち直り、また自分らしい人生を歩いていくことができます。


この3回にわたる連載が、国際結婚や海外生活、国際離婚に直面している方にとって、少しでも参考や心の支えになれば幸いです。



🌿 一人で抱え込まないための、最初の30分


国際離婚や裁判、親権の問題、海外生活の中での孤独は、周りにはなかなか説明しにくく、一人で抱え込んでしまいやすいものです。


「こんなことで相談していいのかな」

「うまく話せる自信がない」

「まだ自分の気持ちが整理できていない」


そんな迷いを抱えている方も、いらっしゃるかもしれません。


特に、海外生活の中で長いあいだ一人で頑張り続けてきた方ほど、「自分がしっかりしなければ」と力を抜けなくなっていることがあります。


けれど、悩みをきれいに整理しておく必要はありません。

法的なこと、子どものこと、自分の気持ちのことが混ざり合っていても、そのままで大丈夫です。


この初回30分の無料オンラインセッションは、今のあなたの中にある思いを、無理のない形で少しずつ言葉にしていくための、プレッシャーのない時間です。


あなたの状況をすぐに解決しようとする場ではなく、まずは安心して話せる時間としてご利用ください。


深刻でなければ相談してはいけない、ということもありません。


「少しだけ、誰かに話してみようかな」

そう思えたときに、静かにこの場所を思い出していただけたらと思います。


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※「少しだけ雰囲気を知りたい」「まだ迷っている」という方も、どうぞ安心してご利用ください。


 
 
 

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