海外生活 のコミュニケーション|「言わなくても伝わる」が通じないと感じたら
- Locus of Life

- 7月31日
- 読了時間: 7分

海外で暮らしていると、何気ない一言に傷ついたり、「どうしてそんな言い方をするのだろう」と戸惑ったりすることがあります。
相手には悪気がないのかもしれない。
そう頭では分かっていても、心はなかなか追いつきません。
「私が何か悪いことをしたのかな。」
「嫌われてしまったのかな。」
そんなふうに考えてしまい、一人で落ち込んだ経験がある方も少なくないのではないでしょうか。
私自身も、イギリスで暮らし始めた頃は、そのような経験を何度もしてきました。
でも長く暮らす中で気づいたことがあります。
それは、私が傷ついていた理由は、英語が完璧ではなかったからでも、海外生活に向いていなかったからでもありませんでした。
コミュニケーションの前提が、日本とは少し違っていたのです。
海外生活のコミュニケーションで戸惑う理由
日本で育った私たちは、小さい頃から相手を思いやることや、空気を読むことを大切にしてきました。
言葉にしなくても相手の気持ちを想像し、自分の気持ちも少し控えめに表現する。そのようなやり取りの中で、人間関係を築いてきた方が多いのではないでしょうか。
だからこそ、相手の言葉が少し強く感じられたり、返事がそっけなく聞こえたりすると、
「私が何か悪いことをしたのかな。」
「怒らせてしまったのかな。」
と、自分に原因を探してしまうことがあります。
もちろん、国や地域、人によって考え方はさまざまです。
それでも、イギリスで長く暮らしていて感じるのは、こちらでは、自分の考えを言葉にして伝えることが、日本よりも自然なコミュニケーションとして受け止められている場面が多いということです。
「それは違うと思います。」
「今日は難しいです。」
「私はそう考えています。」
そんな言葉も、相手を否定するためではなく、自分の考えを伝えているだけということが少なくありません。
最初の頃の私は、その違いが分からず、相手の言葉をそのまま「私への否定」と受け取ってしまっていました。
この違いを知らないままだと、相手には悪気がないのに傷ついたり、自分ばかりが我慢しているように感じたりすることがあります。
でも、
「これは私への否定ではなく、相手が自分の考えを伝えているだけかもしれない。」
そう立ち止まって考えられるようになると、人との関わりは少し楽になります。
そして、自分もまた、相手に嫌われることを恐れすぎず、自分の考えや気持ちを言葉にしてもいいのだと思えるようになりました。
私は、それが海外で暮らす中で学んだ、大きな変化の一つでした。
自分の気持ちを伝えることは、自分を守ること
海外で暮らし始めた頃の私は、嫌だなと思うことがあっても、その場では何も言えませんでした。
日本では、それが大人の対応だと思っていたからです。
「相手にも事情があるのだろう。」
「ここで言うほどのことではない。」
そう自分に言い聞かせ、その場をやり過ごしていました。
でも、不思議なことに、その出来事は家に帰ってからも終わりませんでした。
「あの時、どうしてあんな言い方をされた
のだろう。」
「私の対応が悪かったのかな。」
そんなことを何度も思い返し、一人で考え続けてしまうのです。
そしてある時、私は気づきました。
嫌な出来事は、その場で終わっているはずなのに、私は何日もそのことを心の中で繰り返していました。
本当に苦しかったのは、その出来事そのものではなく、その後も一人で抱え続けていた自分だったのです。
ただ気持ちを飲み込むだけでは、その苦しさは自分の中に残り続けてしまう。
そう気づいてから、私は少しずつ、自分の気持ちも言葉にしてみようと思うようになりました。
もちろん、それは相手を言い負かしたり、自分の正しさを証明したりするためではありません。
「私はこう感じました。」
その一言を伝えることで、自分の心を置き去りにしないようにしたかったのです。
相手が変わるかどうかは分かりません。
でも、自分の気持ちを言葉にすることで、心が少し軽くなるんです。
私は、自分の気持ちを伝えるということは、相手を変えるためではなく、自分の心を守るためなのだと思うようになりました。
自分の気持ちは、どう伝えればいいの?
もちろん、「自分の気持ちを伝えましょう」と言われても、それは簡単なことではありません。
私自身、今でもはっきり自己主張することが得意なわけではありません。
でも、自分の気持ちを伝えるということは、強い言葉で相手を責めることではありません。
例えば、
「少し考える時間をいただけますか。」
「今日は難しそうです。」
「私はこう感じました。」
「もう少し説明していただけますか。」
そんな穏やかな言葉でも十分です。
大切なのは、自分の気持ちを押し込めるのではなく、言葉にして伝えてみること。
自分の気持ちを伝えることは、相手との関係を壊すことではなく、自分自身との関係を大切にすることでもあるのだと、私は今は感じています。
日本人らしさを手放す必要はない
こうした話をすると、
「もっと海外の人のようにならなければいけないのかな。」
と思われる方もいるかもしれません。
でも、私はそうは思いません。
実は私自身、イギリスで暮らし始めた頃は、
「もっとはっきり言えない自分が悪いんだ」
「海外では変わらなければいけないんだ」
と思っていました。
そんなふうに、自分がもともと持っていたものを否定しようとしては苦しくなり、そのたびに「どうしたらいいのだろう」と迷うことを何度も繰り返してきました。
でも、その経験を通して気づいたことがあります。
それは、自分がもともと持っているものを否定する必要はないということです。
日本人の「思いやり」や「相手を気遣う気持ち」は、とても素敵な文化です。
相手の立場を考えたり、場の空気を大切にしたりすることは、日本人の大きな魅力だと私は思っています。
だから、それを手放す必要はありません。
ただ、その優しさを持ったまま、ほんの少しだけ勇気を出して、自分の気持ちも言葉にしてみる。
私に必要だったのは、自分を別の誰かに変えることではなく、自分らしさを大切にしながら、一歩踏み出すことだったのです。
おわりに
海外生活では、言葉や文化の違いだけでなく、人との関わり方そのものに戸惑うことがあります。
「どうしてこんなに傷ついてしまうのだろう。」
「私が気にしすぎなのかな。」
でも、その感覚は、あなたが弱いからでも、海外生活に向いていないからでもありません。
育ってきた文化や、人との関わり方が違えば、戸惑うのはとても自然なことです。
私自身も、イギリスで暮らす中で何度も立ち止まり、悩みながら少しずつ学んできました。
相手を理解しようとすることも大切。
でも、それと同じくらい、自分の気持ちを大切にすることも大切です。
海外生活のコミュニケーションに正解はありません。
大切なのは、自分らしさを失わずに、お互いの違いを少しずつ理解していくことなのだと思います。
もし今日、このブログが、
あなた自身の気持ちを少しだけ大切にしてみようと思うきっかけになれたなら、
とてもうれしく思います。
🌿 自分の気持ちを、後回しにしないために
海外で暮らしていると、自分の気持ちを飲み込むことが、いつの間にか習慣になってしまうことがあります。
「これくらいなら我慢できる。」
「相手にも事情があるのだろう。」
「私が気にしすぎなのかもしれない。」
そうやって、自分を納得させながら過ごしているうちに、本当は何を感じていたのかさえ分からなくなってしまうことがあります。
もし、このブログを読んで、「あ、私もそうかもしれない」と感じたなら、その気づきを、そのまま流してしまわないでください。
自分の気持ちに気づくことも、自分の気持ちを言葉にすることも、自分自身を大切にすることにつながります。
カウンセリングは、何か特別な問題がある人だけのものではありません。
「今の自分は、本当は何を感じているのだろう。」
そんなことを、安心して一緒に考えていく時間でもあります。
もし一人では言葉にならない気持ちがあるなら、その言葉を探すお手伝いができればと思っています。
[🔽 初回30分無料オンラインセッションはこちら]





コメント