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海外生活で自分を知る|問題は生き方を見つめ直すきっかけになる

夏の青空の下、日本の田園と古民家、小川が広がる穏やかな風景。静かな時間の中で、自分を見つめたくなるような景色。


海外で暮らしていると、


「どうして同じような人間関係を繰り返してしまうのだろう」

「どうしてこんなに心が揺れるのだろう」


そう感じることはありませんか。


これまで私は、海外生活の中で感じた孤独や怒り、人間関係の難しさ、自分らしさについて、いくつかの記事を書いてきました。


言葉や文化の違い

国際結婚や離婚

人との距離感

周囲に合わせすぎてしまうこと

思うように進まない出来事に、怒りや無力感を覚えること


こうした経験は、海外に住んでいるからこそ起きる問題のように見えるかもしれません。


けれども、これまでの自分の経験を振り返るうちに、一つのことに気づきました。


もちろん、海外には海外特有の難しさがあります。


慣れない言葉で自分の思いを伝えなければならないこともあれば、日本とは異なる価値観や仕組みに戸惑うこともあります。


頼れる家族や友人が近くにおらず、孤独を感じることもあるでしょう。


けれども、私たちの心の中で起きていることは、どこに住んでいても大きくは変わりません。


海外生活が問題を生み出したというよりも、海外という環境が自分自身を見つめる機会を与えてくれているのだと思います。



海外生活によって見えやすくなる自分の心


日本で暮らしていた頃には、気づかずに通り過ぎていたことがあります。


周囲に合わせることが当たり前だったため、自分が本当は何を感じているのか、立ち止まって考える必要がなかったのかもしれません。


人に嫌われないように振る舞うこと

迷惑をかけないように、自分の希望を引っ込めること

納得できないことがあっても、「仕方がない」と飲み込むこと


日本では、周囲と同じように行動していれば、表面上は大きな問題が起きなかったのかもしれません


けれども、海外では、これまで無意識に使っていた方法が通用しなくなったりします。


黙っていても気持ちを察してもらえない

控えめにしていると、自分の意見がないと思われてしまう

相手に合わせ続けても、関係が良くなるとは限らない


これまで自分を守ってくれていた行動が、異なる環境では、かえって自分を苦しめます。


そのとき初めて、


「なぜ私は、ここまで人に合わせてしまうのだろう」

「どうして相手の一言に、こんなにも傷ついてしまうのだろう」

「なぜ私は、同じような人間関係を繰り返しているのだろう」


と、自分の内側に目を向けることになります。


もしかすると、海外という環境は、慣れ親しんだ場所では気づかなかった「ずっと前からそこにあった自分」を映し出してくれているのかもしれません。



すべては自分から始まる、ということ


私は、人生の中で出会う問題の多くは、自分から始まっていると考えています。


ただし、それは「あなたが悪い」という意味ではありません。


相手の行動に問題がある場合もあります。


不当な扱いを受けることもあれば、相手の言動によって深く傷つけられることもあります。


暴力や支配的な関係、いじめや差別などについて、被害を受けた側に原因があるという意味でもありません。


相手の責任と、自分がその出来事にどう向き合うかは、分けて考える必要があります。


私が「自分から始まる」と考えるのは、問題の責任をすべて自分に背負わせるためではありません。


その出来事を通して、自分に問いかけてみます。


  • 自分は何を感じたのか。

  • なぜそれほど苦しかったのか。

  • 何を怖れていたのか。

  • 本当はどうしてほしかったのか。

  • これから自分を守るために、何を選びたいのか。


そうした問いに向き合うところから、変化が始まるという意味です。


相手が変わるのを待っているだけでは、自分の人生を動かすことは難しいかもしれません。


けれども、自分の感じ方や考え方、選ぶ行動に気づくことで、これまでとは違う道が見えてくることがあります。



内省は、自分を責めることではない


「自分を見つめる」と聞くと、


「私のどこが悪かったのだろう」

「もっと我慢すればよかったのだろうか」

「私が変われば、相手はあんなことをしなかったのではないか」


と考えてしまう人もいるかもしれません。


けれども、内省と自責は同じではありません。


自責は、自分に非があると決めつけて、自分を責めることです。


一方、内省とは、自分の心の中で起きていることを、できるだけ決めつけずに見つめることです。


例えば、人間関係の中で強い怒りを感じたとき、


「怒ってはいけない」と感情を抑え込むのではなく、


  • 私は、何を大切にされたかったのだろう。

  • どんな境界線を越えられたと感じたのだろう。


と考えてみます。


人に拒絶されることが怖いときには、


「どうして私はこんなに弱いのだろう」と責めるのではなく、


  • 拒絶されることが、私にとってなぜこれほど怖いのだろう。

  • 過去にも同じような感覚を経験したことがあるだろうか。


と、少しずつ自分の心をたどっていきます。


内省は、悪いところを探す作業ではありません。


自分の反応の奥にある気持ちや、自分でもまだ言葉にできていない願いを知っていくことです。



目の前の問題が教えてくれること


私の場合、人生を振り返ると、当時は「忘れてしまいたい」と思っていた出来事の多くが、結果として自分を深く知る入り口になっていました。


もちろん、だからといって、すべてのつらい体験に感謝しているわけではありません。


苦しむことが人生に必要だと言いたいわけでもありません。


痛みの中にいるときは、そこから無理に「学び」を見つけようとする必要はありません。


まずは自分を守り、安心できる場所で、回復するための時間を自分に与えること。


それが、そのときの自分自身にできる何より大切なことだと思います。


そして少し時間がたち、心が落ち着きを取り戻した頃、ようやく自分に問いかけられることがあります。


「あの出来事は、私に何を教えてくれていたのだろう」


私自身、


「どうしてこんなことが自分の身に起きるのだろう」

「相手さえ変わってくれれば、すべて解決するのに」


と考えていた時期がありました。


何年もの間、それしか見えなかったのです。


けれども時がたち、少しずつ振り返ることができるようになると、その出来事は、自分という人間を映し出してくれていたのだと気づき始めました。


私は、どれほど「理解されたい」と願っていたのか。

どれほど拒絶されることを怖れていたのか。

そして、自分の気持ちよりも、どれほど相手の反応や期待を優先して生きてきたのか。


置かれていた状況そのものが変わったわけではありません。


変わったのは、自分自身への理解でした。


それは、相手の言動を正当化することでもありません。

過去の傷を、なかったことにすることでもありません。


ただ、私は「あの出来事に、これからの人生を支配され続けることはやめよう」と思えるようになりました。


そして過去の経験は、


「私は何を大切にしたいのか」

「これからどのように生きていきたいのか」


を見つめ直すための、大切な道しるべへと変わっていったのです。



一人で内省することが難しい理由


自分を振り返ることは大切ですが、一人で内省するのは、思っている以上に難しいものです。


私たちは、自分の考え方を通して、自分自身を見ています。


そのため、いつも同じところで考えが止まってしまうことがあります。


例えば、


「やっぱり私が悪かった」

「相手がおかしいだけだ」

「考えても仕方がない」

「もっと頑張らなければ」


そんな結論に何度も戻ってしまい、それ以上先に進めなくなることもあります。


また、自分にとって当たり前になっている行動や考え方は、自分ではなかなか気づけません。


人に合わせることが普通になっている人は、自分が我慢していることに気づかないかもしれません。


何でも一人で解決してきた人は、誰かに頼るという選択肢が見えないこともあります。


傷つかないために人との距離を取っている人は、自分が本当は誰かとつながりたいと思っていることに、気づきにくい場合もあります。


一人で考えていると、同じ道を何度も行き来してしまいます。


それは、内省する力がないからではありません。


誰にとっても、自分の姿を自分だけで客観的に見ることは難しいからです。



カウンセリングは、答えを与える場所ではない


カウンセリングは、カウンセラーが正しい答えを教える場所ではありません。


「こうするべきです」

「その人とは別れた方がいいです」

「もっと前向きに考えましょう」


と、カウンセラーの価値観を押しつけることが目的ではありません。


カウンセリングは、一人で考えているだけでは見えにくい自分の気持ちや、繰り返している心の反応を、別の角度から見つめていく時間でもあります。


カウンセラーとの対話の中で、


「そのとき、どんな気持ちがありましたか」

「相手に本当は何を分かってほしかったのでしょう」

「似たような感覚を、以前にも経験したことがありますか」


と問いかけられることで、これまで考えたことのなかった部分に目が向くことがあります。


自分では「怒り」だと思っていた感情の奥に、悲しさや寂しさが隠れているかもしれません。


相手に腹を立てているように見えて、本当は自分を守れなかったことが悔しいのかもしれません。


「誰にも頼りたくない」と思っていたけれど、本当は頼って拒絶されることが怖かったのかもしれません。


カウンセラーは、その人の中にある答えを代わりに決めるのではなく、その人自身が自分の気持ちに気づいていく過程をお手伝いします。


誰かに話すことで、初めて聞こえてくる自分の言葉もあります。



海外生活で自分を知るということ


海外生活で自分を知るということは、起きた問題の原因をすべて自分の中に探すことではありません。


自分を責めるのではなく、その出来事を通して、自分が何を感じ、何を大切にしたいと思っているのかを知っていくことです。


人生から、すべての問題をなくすことはできません。


そして、住む国を変えても、仕事を変えても、パートナーを変えても、自分自身との関係は続いていきます。


だからこそ、問題が起きたときに、


「どうすれば、この問題をなくせるだろう」


と考えるだけではなく、


「この出来事は、私に何を教えてくれているのだろう」


と問いかけてみることにも、大きな意味があるのだと思います。


  • 自分の感じ方を知ること

  • 何を大切にしたいのかを知ること

  • どこまでなら受け入れられ、どこからは自分を守る必要があるのかを知ること

  • そして、自分が本当はどのような関係を望んでいるのかを知ること


その積み重ねによって、人との関わり方も、自分との付き合い方も、少しずつ変わっていきます。


海外生活は、私に多くの問題を与えたのではありませんでした。


それまで気づかなかった自分自身を見つめる機会を与えてくれたのだと思います。


もちろん、すぐに答えが見つかるわけではありません。


それでも、その問いを持ち続けることが、少しずつ自分を理解し、自分らしく生きることにつながっているように感じています。


目の前の問題は、あなたが悪いことを証明するためにあるのではありません。


もしかするとそれは、これまで見えなかった自分を知り、これからの生き方を選び直すための入り口なのかもしれません。



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私は、カウンセリングとは問題を解決するためだけの場所ではなく、自分自身を理解し、これからの人生をより自分らしく歩んでいくための時間だと考えています。


一人で自分を見つめようとしても、同じ考えを繰り返してしまったり、どこから整理すればよいのかわからなくなったりします。


それは決して特別なことではありません。


誰でも、自分自身のことは見えにくいものです。


だからこそ、ときには安心できる相手との対話の中で、自分では見えていなかった思いや、人との関わり方のパターンが少しずつ見えてくることがあります。


「こんなことで相談していいのかな」

「まだ自分の気持ちが整理できていない」


そんな状態でも大丈夫です。


一人では見えなかった自分を、少し違う角度から見つめてみたいと思われたときに、安心して話せる時間をご一緒できれば嬉しく思います。


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